「こと…」


愛しかったその声は、


すごく胸に響いて。



「わ、私、帰んなきゃ…」


だんだんと、

ぽろぽろと零れてくる涙を袖で拭いながら、

カバンをもつ。



「こと、ごめん!俺、」


「言わないでください」



俺はハルが好き、なんてこと言うんでしょ?


そんなの、聞きたくない、逃げたい。


私は手に持っていた、

プレゼントのネックレスを、


パシッとヨウくんに投げつけた。



「いい、冬休み、を…さよなら」


掠れた声で、

しぼりだす。



「こと!!!」


教室を出る時に、

呼ぶ声が聞こえて。



さよならヨウくん。


別れてって言いたかったよね。


でも、直接はさすがにしんどいから。


また、電話しよう。


さよなら。


ヨウくん。





まだ、まだ、




好きなんだよ────。