話題のその映画は、

がっつり感動系で。

終始、泣く私。


たまに、ヨウくんからも鼻をすする音が聞こえて、

すごく、幸せな気持ち。



✲✲



「いい映画だったね。」

「はい、もうめちゃくちゃ!」

「って、目、真っ赤、あははっ」


涙でパンパンの私の目をみて、

ヨウくんは爆笑している。


もー…。

楽しそうだからいいんだけど。


「特にあのシーン泣けたよね」

「あれはやばいですよ」


なんて、他愛のない話をしながら、

私たちは映画館をあとにした。




そして、お昼ご飯をたべ、

ゲームセンターへ行って、

すこし、お洋服屋さんをみて、


初デートは終了。



ゲームセンターでは、

プリクラを撮りました。


もう、距離が近くってそれはそれは、

緊張で。


でも、このプリクラ、宝物だなあ。



駅までの道のりは、

なんだかお互い話さなくても、いい時間で。


手を繋いで、ゆっくり歩いていた。


すると、急にヨウくんが

「あ、こと、これあげる、」

とごそごそ、ポケットから何かを取り出す。


白いちっちゃなリボンのついた紙袋。


「え…。」


「開けてみてよ」


ガサ…。

と、慎重にやぶれないようにあける。



「…これ…!」

お洋服屋さんで、

可愛いな、と思ってみていたネックレス。


冬仕様で、

雪の結晶の形をしたシルバーのネックレス。


今度、お母さんにオネダリしちゃおう、なんておもってたのに。


まさか、こんな形で貰えるなんて。


目頭がじわり、と熱くなる。


「あ、泣きそ?…てゆか、これだよね?ことが欲しそうにみてた、やつ」


コクコクっと深くうなづく私。


もう、幸せ。


「喜んでもらえてなにより」


「ありがとうございます…っ」


ポロッと零れた涙はもう止まらなくて。


また、迷惑かけちゃうなあとか思ったけど止まらなくて。


「私、何も買ってません…」

「いらないよ」

「私、こんなにいっぱい貰って幸せものなのに。…ヨウくんにはなにもしてあげてない…」



少しの沈黙のあと、


暖かい手が私の頭に落ちてきて。


「このデートがプレゼント、とか言ってみたり。あはは!……うん、でもほんとに今日のデートすごく幸せだった。ありがとう、だから泣き止んでよ」

ね、と微笑むヨウくん。


「…っ、もう、好き…」


「俺も!」

ぎゅうっと、抱きしめられ、


人がいるのも感じないくらい、

ものすごくあったかかった。