集中治療室の前のベンチに、実母と隆太が座っていた。

隆太は首をうなだれて泣きべそをかいている。

実母はそんな隆太の肩を抱いて、一生懸命なだめていた。

私に気づいた隆太は、

「お母さん!」

と泣きながら私の方へ走り寄って、腰に巻き付いてきた。

実母は険しい顔で私をにらんでいる。

にらまれて当然だよね。母親失格だ。

それにしても一体航太は?

「航太は?」