「今、旦那様と同じ会社に勤めてるんですよ。また今度ゆっくりお茶でもしましょうねぇ!」

と、できるだけ明るい表情でその場を後にした。

気になって、10メートルくらい走っていったところで振り返ると、未知さんは、眉間にしわをよせたまままだ私を見送っていた。

白井さんも言ってたけど、未知さんって意外とナーバスな人かもしれない。

不用意なことは言わない方がいいかもね。

そして、腕時計をちらっと見て、そのまま駅まで猛ダッシュした。