家に帰ると、旦那は既に帰っていた。

「ただいまぁ。」

平静を装いつつ、明かりのついているリビングに入っていく。

旦那は、ソファーでビールを飲みながら、新聞を読んでいた。

「あ、おかえり。」

普通のやりとり。でも普通じゃない私の心。

今日は私が遅くなるのがわかってたから、隆太と航太は私の母のところにお泊まり。

だから、今夜は旦那と2人きりなんだよね。

それもなんだか今日は心苦しい感じ。

「お前も飲む?」

旦那が新聞から顔を上げる。やけに優しいけど、何何?

「あ、じゃ、一杯だけもらおっかな。」

なるべく普通にね。