七話「一難去ってまた一難」 「桐也くんに近寄るな」 「え?」 ――――それは一瞬だった。 誰かに背中を押されたと思った途端、足が浮かんだ。 目の前には下りの階段。……気付いたときには手遅れで、あたしの身体はそのまま受け身を取る間もなく宙に投げ出された。