なんで?
やっぱり、嫌になったかな…
あたしと一緒に住んでることが…
この家に来た時からずっと不安だったんだよね…
って言っても来てから10時間くらいしか経ってないけど
だってさ、凌、学校と違うんだもん
目合わせようとしないし、すぐ顔赤くするし、学校で話す時より素っ気ない態度で
ここに来た時からずっとそう思ってそれが心配っていうか…不安で仕方なかった
いてもたってもいられず、あたしは飛び出してた
もらったばっかりの電子カギで頑張ってみたけど結構難しくて5分くらいロスしたけど(汗)
でも、今気づいたけどどこにいるの?
どこに行ったら会えるの?
コンビニとか、夜遅くまでやってるスーパーとか色々探し回ったけどいない……
あと考えられるのは……??
あ!公園!
これだけ探しまわって公園にもいないならほんとにわからない。
お願いだからいて…………
公園について見渡すと、凌がベンチに座っていた
「…凌………」
こんな小さな声は届くはずもなく
凌は下を向いたまま変わらなかった
けど、凌がいた事が嬉しくて我慢してた涙がどっと溢れ出た
そして、ゆっくりゆっくり大好きな人へと向かって歩いていった
△凌side▽
どうしたらいいのか…
いまだにわからなくなっていた
「…グスン…」
え?顔を上げると泣いている香音がいた
「…凌」
「なんでいるんだよ」
「…出ていっちゃったかと思った……」
なんでそんなに心配してんだよ
「俺の家なんだから出ていくわけねーよ
もしかして、それで泣いてんのか?」
「…うん……」
「いいから座れ」
俺のために泣いてんなよ…
まるで俺の事が好きみたいじゃんかよ
「凌さ……グスン……学校と違うんだもん」
確かに学校にいる時みたいに自然に話せなかった
「目合わせてくれないし、素っ気ない態度だし…」
それを言われて俺、やっと気づいた
俺は香音が好きなんだ
「…香音、好きだよ、だから心配すんな」
「…うん、ありがとう、あたしも好きだよ」
ドキッ
ほらやっぱり、俺は香音が好きなんだ
好きと言えば…
「お前って好きなやついるの?」
俺が今一番気になること
「え?…あ、うん、いるよ」
少し驚いた顔をしたあと『いるよ』とそう答えた
そりゃそうだよな、それじゃあやっぱり香音は俺の事、友達として好きなんだ。
「もう、帰るか」
「う、うん…あのさ…」
「なに?」
「なんでここに来たの?」
頭を冷やしに…なんて言えねーよ
「なんでもないよ、気すんな
とにかく…帰ろう」
『遠足は大波乱!?』
△香音side▽