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文化祭前日。






今日も全ての出番の通しリハを終えて



夜遅くに帰宅。




体調が悪いことはみんなには…特に凌には内緒








「ただいまー」



「おかえり」








…クラッ




おっと…


まためまいがする




明日で終わるから我慢だー我慢!











「いただきます」





あたしがリハーサルで帰りが遅い日、凌はいつもお夕飯を作ってくれている






いつも本当に美味しいんだ!




今日だってあたしの好きなものばっかり!




だからこそ、凌にはもう心配をかけたくないんだ







…めまいさん……お願いだから明日までもってね?















という、あたしの願いは届かず






「ごちそうさまでした!凌いつもありがとうね!」





と言って立った瞬間






クラッ





「香音!!」






倒れたあたしは凌に抱きとめられ、そのまま身を任せたまま……………………




………………そのあとは思い出せない



















△凌side▽























「香音!!」




香音を呼ぶのが早かったか


体が早かったか




気づけば俺は香音を抱きとめていた



そして香音はそのまま意識を失った





「…香音?」






お前…そんなに頑張ってたのかよ


あれだけ休めって言ったのに








具合が悪い時一番効くのは【寝ること】




だそうで




すぐに香音の部屋のベッドに連れていった







「……凌?」




「………起きた?寝ていいよ」




「…うん………ありが…と……う……」







目を覚ました香音はほんとに起きてるのか分からないくらいの小さな声で話した






「……スー…スー…………」











…香音……俺はお前が好き



だけど、こうなったのも全部俺が伝えなかったから




俺も諦めなきゃダメかな




…でも、俺はお前しか見れねーよ










「…香音……好きです。俺と…付き合ってください。」









…なんて。言えたらいいのに。















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「おはよ!」




「あ、おはよ。具合は?」






「もうバッチリ!あ、今度はほんとにバッチリだから!」







良かった。


ほんとは1日で治るのかよとか疑うけど、顔色良かったし、安心した








「今日あたし、音楽科の発表したあと続けてダンス部の発表あるから見に来てね?」




「柚菜にどうせ連れてかれる」




「そうだよね!待ってる!」







…連れてかれる………


ほんとは俺が見に行きたいから行くってだけのこと





こんなことも素直に言えないのか?











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「続いては音楽科による発表です!」





パチパチ






客席も含めて全部真っ暗になったあと









パッ!








スポットライトが当てられた先には



衣装を着て白いおしゃれな椅子に座っていた






どうやら香音のソロが最初みたいだ