キーンコーンカーンコーン……と、朝のホームルーム前の予鈴が校舎に響く。


「あ……皆、先に教室行っててくれる?」

軽く右手をひらひらと振りながら、私は皆にそう告げる。


「え? はるはるは教室行かないの?」

「ごめん、ちょっと色々考えたくて……」

本当は、これ以上皆といたら、何だか泣いてしまいそうだったからだ。
嬉し涙とはいえ、これ以上情けない姿を皆に見せて困らせたくない。


皆は、そんな私に気を遣ってか「皆でホームルームサボろうか」なんて言ってくれたけど。


「俺が付き添うから、皆は教室行ってて」


近田君が、そう言ってくれた。