「噂で聞きました。竹入さんが昨日、カラオケボックスで他校の生徒に怪我させたとか」

ドクン、と心臓が跳ねる。

一番知られたくなかった彼に、この件を知られてる。

胸がぎゅっと苦しくなる。

それを聞いてどう思った?
最低な女だって思った?


そう思って不安になったのに、彼は。



「竹入さんはそんなことしませんよ」



真っ直ぐな眼差しと声色で、迷うことなくそう言い切ってくれた。