莉菜の傷は大したことはなく、救急車を呼ぶ程ではなかった。

それもあってか、店長が莉菜に、警察を呼ぶか呼ばないかを選ばせると言った。


莉菜の目的は、私が莉菜から逃げられないことを思い知らしめることであって、私を貶めることじゃない。
警察が絡むと莉菜にとって都合が悪いこともあるだろう。それもあってか、莉菜が泣きながら

「私が悪いんです。私が春日を怒らせちゃったからいけないんです。ちゃんと謝って仲直りしたいから、警察は呼ばないで」

そう言った為、この件はこれ以上の騒ぎになることはなかったけど。


その後のことは、殆ど覚えていない。


店長の問い詰めから解放された後は、莉菜のことも泉のことも見ることなく、私はカラオケボックスから飛び出した。


走りながら涙が止まらなかった。


誰も信じてくれない。


どうして、信じてくれると思えたの?


私は一生、




莉菜達のアソビドウグなんだ。