反論しても、抵抗しても、そのままずるずると引きずられる様にして私はどこかへ連れて行かれる。


莉菜と目が合った。

自分に好意を寄せている男性店員にしがみつき、流血する腕を抑えながらも、私のことを見てしっかりと笑っていた。


『あんたのことなんか誰も信じないよ』

さっきの莉菜の言葉が頭にこびりついて離れない。


金髪だから? 格好が派手だから?
だから誰も信じてくれないの?


でも、莉菜だって同じ様な格好しているのに。


もう、訳が分からないよ。



店の奥の、管理室と書かれた殺風景な部屋に連れて行かれた私は、パイプ椅子に座らされ、店長にこの事態を散々問い詰められる。


最初は反論もしたけど、何を言っても信じてくれないから。皆が莉菜の嘘を信じるから。怪我をしている方が被害者だって言うから。


段々と、それ以上は何も言えなくなった。