それから数日後。

「朝も言ったけど、今日はこれから委員会があるからな! 必ず出席すること! 以上!」

帰りのホームルームで、担任がいつもの大きな声で、教壇の上からそう言う。
日直の号令で起立した私たちが「ありがとうございましたー」と挨拶すると、担任はさっさと教室から出て行った。
ちょうどホームルーム終了のチャイムが鳴る。

そう。今日は先日勝手に決められた例の委員会がある。
初日だから顔合わせ程度だろうって、担任は今朝言っていたけど。

この間配られた一覧表には、委員会を行う教室の名前も書かれていた。
体育委員会は、東校舎の三階の教室か……。


東校舎ってどこだ?


えっと。ここが南校舎だから、あっち? いや、こっち?

辺りをきょろきょろ見渡しながら考えてみるけど分からない。
適当に行ってみようか……でも私、方向音痴だから校内で迷ってしまう可能性が……。


するとちょうどその時、近田君が隣の席から立ち上がる。
彼も当然、これから委員会に向かうのだろう。

それなら。


「ち、近田君っ!」

教室を出て、廊下を歩いていく彼の背中に向かって、勇気を出して声を出した。

彼はピタ、と足を止め、私に振り返る。

その表情は、何だか不機嫌そう。


「あ、あの……委員会の教室の場所分かる? 私、よく分からなくて。一緒に行ったら駄目かな?」

緊張でドキドキしながらそう問い掛ける。

けど、近田君は眉間に皺を寄せて私をじっと見つめたまま、何も言わない。


「ち、近田君?」

すると。