ゆっくりと動き出す車に向かって、私も「またね!」と叫んだ。

車が見えなくなるまで、ずっと手を振った。

手をおろすと、さすがに涙が溢れてきた。

でも、悲しいだけの涙じゃない。切ないだけの涙じゃない。

私達は、また会える。




ーー今年の春は、大きな不安とほんの少しの期待を抱いていた。

現実はやっぱり上手くいかなくて、金色の髪のまま孤立していた。


だけど、あなたに出会えて徐々に景色の色が変わっていった。


霞んでいた世界が、光って見えた。


次に迎える春は、きっと綺麗な色をしている。


来年の春、あなたは私のすぐ隣にはいないけど、きっと切ない春なんかじゃない。



またね、総介君。