「お前は自分の名前を名乗るなよ」

「は?…何で?」

「いいから、もし名前を聞かれたら偽名使え」

「えぇ!?」



何で偽名!?わけわからん!



「じゃあ偽名考えなきゃね!」



両手をパンッと叩き、考える風歌。
え、何でそんなに楽しそうな顔してるんですか?



「陸の苗字からとって「桃井海(ももいうみ)」ってどうかな?」

「ももいうみ…?」

「陸の親戚ってことで!ね?いいでしょ?」

「や、俺は別に構わないけど…」

「海里いい?」

「………うん」



何で偽名使わないといけないかわかんないけどまぁいいや。せっかく風歌が考えてくれたんだし。



「海里にもピアス、渡すね」

「いいの?」

「うん。これで空さんと回線繋いどけば契約書とか書く時にわからないこと聞けるから、その方がいいでしょ?」

「そだね。じゃあ借ります」



風歌からピアスを受け取り左耳につける。