「少々ここでお待ち下さい」



客間に通され、ソファに座るように促すと、白瀬はそう言い客間を出た。
するとメイドが入れ代わるように入って来て、少し甘い香りが漂う薄桃色の飲み物をカップに注ぎ海里達の目の前に静かに置いた。



「…ピンク色だね?」



初めて見る飲み物をマジマジと観察する海里。



「これは……もしかして、覚えていてくれたの?」



風歌はお茶を注いでくれたメイドに目を向ける。



「はい。風歌様のお好きだった「アマラ・ティー」です。忘れるはずがありません」

「嬉しい…ありがとう」

「お喜びいただき光栄です」



微笑み、一礼するとそのメイドは客間から出て行った。












「このお茶美味しい!」

「うん、美味い」



お茶を一口飲む陸と海里。



「…星、飲まないの?」



嫌われているとわかりながらも風歌は星に話しかける。



「………」



予想通り無視されたので、困ったように眉を下げる。