(まぁ確かに星は風歌ちゃんの事嫌ってるし、海里ちゃんとも喧嘩ばっかりしそうだしなぁ…)


左人差し指で頬をかく。


「分かってんじゃねぇか馬鹿女。俺もテメェといたら不愉快だ」

「2人共!」


無言の睨み合いが始まるか…と思われたその時…


「…!」
「わっ!」


月が海里と星の腕を掴んだ。


「喧嘩しないの!周りの人が気分悪くしてるの分からないの?」


超笑顔で、かつ低い声で2人に言う。
しかも腕はかなり強い力で掴まれている。


「俺はこいつにそう言われたから言い返しただけで…!」

「あら、口答えする気?もとはと言えばあんたが空の指示に従わないからこんな事になってるんじゃないのかしら?」

「それは…俺はまだ怪我が治ってないからで…っ」

「空の指示には従う!それが私達の決めたルールでしょ。陽の指示に従うのと一緒よ」

「…っ!」


チッと舌打ちを漏らす。

「…行きゃあいーんだろ!」


バンッ!と力任せに扉を開け、ミーティングルームから出て行ってしまった。


「………」


しばし黙る空達。


(ホンット、扱いづらいわねー…)

深く溜息をつく月。


「…そんなに行きたくなかったのかなあいつ」

「確かに…いつもなら文句言わないのにね?」

「!…わ、私のせいですよね…すみません……」


悲しそうに俯く。


「風歌は悪くないって!風歌はあいつに何もしてないでしょ!」

「海里…」

「風の国とか、そんなの関係ないじゃん!風歌はもう仲間なんだよ?そうですよね空さん!」

「仲間…か。うん…そうだね!」


微笑む。


「……仲間…」

「そうだよ!風歌、あいつに何か言われたら私がぶっ飛ばしてあげるからね!」


腕を振り回しながら勢いよく言う。


「あはは…ありがとう」

「こら海里!喧嘩はしちゃ駄目よ!陸、もし2人が喧嘩したら止めてね?」

「そりゃ止めるけど…俺止めれるかな〜?」


心配そうに海里を見る。


「失礼な!喧嘩しないってば!」

「…なるべくしないでくれよ?」

「大丈夫。何か言われたら流せばいいし」