「全員…ですか」

「はい。全員です」



しばらく沈黙する国王。



「………そうですね。解りました。その条件、のみましょう!」


意外にもあっさりと条件を受け入れた。


「そうですか。有難うございます」

「ですが…今2名の共鳴者は長期任務についておりまして……当分は残りの2名と風歌の3人だけでも宜しいですかな?」

「はい。それは構いません」

「それで、契約として何か印の物を残したいのですが……風の国に来られる事はできませんか?」

「すみません…私は役割上、ここを離れる訳にはいかないのです。替わりに、アリアドネの使いの者を3人、お嬢さんと共に向かわせます。明後日に着くようにしても宜しいですか?」

「解りました。明後日ですね?大丈夫です。待っています」


それから何回か言葉を交わすと、空はピアスを外した。


「話の内容は大体わかったかな?」

「はい」


頷く一同。


「えぇと…ピアス、返すね」

「それは空さんが持っていて下さい」

「でも、これは大事な物なんだよね?」

「大丈夫です。ピアスはあと2つありますので。これで私達が風の国にいても通信できますよ」

「そうか…じゃあ貰っておくね」

「はい」


再びピアスを付ける空。



「で?風歌ちゃんと誰を風の国に向かわせるんだ?」

「本当は陽に行って欲しいところなんだけど…怪我、治ってないからね〜月も怪我治ってないし…」


言いながら海里を見る。


「…」


海里も空を見る。


「…海里ちゃん、行ってくれるかい?」

「私ですか!?」

「うん…怪我してないのは海里ちゃんと陸君だしね。陸君、いいかな?」

「はい。行きます。…いいよな?海里」


ニッと笑いかける陸。


「…うん!」

「決まりだね」

「…でも空さん、あと1人は誰何ですか?」

「誰だと思う?」

「………」


考える3人。


「陽と月以外の共鳴者って…四季さんと星だけじゃん!」

「だよな…てことはあの2人のどっちかだよな?」

「………」

不安そうに空を見る風歌。