「今替わりました。アリアドネ統括代表取締役の赤坂空です。初めまして」

「初めまして。私は風の国現国王の緑地嵐と申します。突然の同盟の申請、申し訳ありません…」


(もっと偉そうなイメージがあったけど、案外普通なんだな……)
「いえ、我々も強国の風の国からお誘いを受けるとは、大変遺憾です」


言葉を選びながら慎重に話す。


「そう言ってもらえるとは嬉しい限りです。…それで、同盟の件については承諾して頂き有難うございます」


国王の年齢は風歌の歳を考えると50代はいっていそうだが、それを思わせない若いハキハキとした声で淡々と話す。


「はい。…ですが条件があるのですが……」

「条件…ですか?」



条件?空さん、そんな事何も言ってなかったよね…?



そう思いながら風歌を見る海里。

風歌は心配そうに空を見ている。


「突然すみません。お嬢さんには言っていなかったもので…」

「そうでしたか。いえ、それは構いません。条件というのはどういうものでしょうか?」

「はい。風の国ではお嬢さんを合わせて共鳴者が5人いる…と聞きましたが」

「そうですが…」

「我々が共鳴者とARMSを回収しているのはご存知かと思います。…条件というのは、風の国の共鳴者を全員、アリアドネに引き渡して欲しいというものです」

「…!」


国王は驚いたのか、声を微かにあげた。


風歌も驚いて眼を少し大きく開ける。


「お嬢さんの所属も、今後の事を考えるとハッキリさせておかないといけないと思いまして。駄目なら、この話はなかった事にしていただきます」



もし、国王が条件をのまなかったら……風歌はアリアドネの仲間じゃなくなっちゃうの…?
そんなの嫌だ!空さん…どうして急に条件だなんて……



陸も海里と同じ事を思っているのか、表情が海里と似ている。