でも…
「風歌は、何もしてない」
さっきまでの気持ちを振り切るように、両頬を叩いた。
「風歌は何もしてない!風歌は悪くないよ!だから私は、風歌の事憎い何て思ってない!」
「海里……」
「私達親友でしょ?そんなこと言わないでよぉ!」
ギュウ〜!と抱き着く。
「………うん。ごめんね、海里…」
「だから何で謝るのさ?気にしなくていいんだからね!」
微笑みながら言う海里。
その表情を見て、風歌も少しばかりぎこちないが微笑んだ。
「…ありがとう」
笑い合う2人。
良かった…
心の中で安堵のため息をつく陸。
「親友かぁ…いいわね♪」
それを見ていた月は羨ましそうにする。
「………そうだな」
対象的に、陽はどこか悲しそうな顔で海里と風歌を見ていた。
−−ガチャリ。
星は自室の扉を開けた。
明かりをつけ、仏頂面のまま中へと進む。
ARMS−−マサムネを小さなテーブルに置き、ドカッとベッドに座り込んだ。
−−緑地風歌
まさか、日の国にいたとはな…
あいつが、俺の事を覚えてるとは思いもしなかったが……
「フン、避けては通れぬ道ってことか…」
自嘲気味に笑ったその瞳には、暗い影しか映っていなかった…