−−風歌は自身が日の国に来た経緯を話せる範囲で話した。

















「第1次ARMS争奪戦の頃には既に日の国にいたのか…」

「はい。共鳴者として他国から狙われないように…とのことで」

「だよな…まさか他国の共鳴者が、自分の国にいるとは思わないもんな」

「でも、今は休戦状態でしょ?風の国に帰らなかったの?」

「いつ再戦するかわからないので、戻ってくるな…と」


この時の風歌の表情は、どこか悲しそうに見えた。


「ずっと家族と離れて暮らしてるなんて…可哀相だよ……」


生きている家族がいるなら、一緒にいたいよ。


俯く海里。


「………」


海里を心配そうに見る陸。




「……何が「可哀相」だよ。死んでないだけまだマシだろが」


呟く星。
どこか皮肉めいている。


「…心配してくれてるのかな?ありがとね海里。でも、平気だから。慣れちゃったし……」

「…うん」