「…ですがその前に、私はあなた方には何も敵対心がないということを申し上げておきますね。私個人は海里と陸の友人として、是非あなた方にご協力したいと願っていますので」



いきなり口調が変わる風歌。


…風歌?なんか口調が……


陸も海里同様、ポカンとしている。



陽達はその言葉を聞いて、真剣に風歌を見た。



「私の名は…【緑地風歌】(りょくちふうか)と申します」

「へ?」



「緑地」?「緑野」じゃないの?


まぬけな声を出す海里。


「ごめんなさい海里。嘘ついてました。」

「何で…」
「緑地って…あの緑地!?」


海里の声を遮ったのは月だった。


「…はい」


頷く風歌。

海里と陸以外は全員顔色を変えた。


ただならぬ空気が流れる。




この重ぐるしい空気は何?風歌が何かあるの?

海里と陸は陽達の様子を静かに見る。