「行くぞマサムネ!!」

鞘を抜き、瞬時に刀を構えた。


『輪廻一閃!』


刀が紫色に輝きだした。

『‥狐空閃!!!』


一気に刀を振り下ろす。

狐のような獣が、円を描くように憑物の体を真っ二つに切り裂いた。



「…すごい」


驚く海里。


「一発か。バックアップは必要じゃなかったな」


安堵の溜め息をつく男。


真っ二つに切り裂かれた憑物は、砂のようにサァー…と消えてしまった。






「弱すぎて話にならないぜ」


地面に着地し、刀を鞘におさめた。


「憑物も倒したし行くとするか」


真っ黒なヘリコプターに乗りこむ黒服の人達。





校長を見る海里。


「…………!!!」


校長は完璧に腰を抜かしている。


「校長先生、ごめんなさい。でも、メルフェンサーもヴァンナーもこの人達について行けって言ってるんです。だから私、行きます。何も心配しなくていいですから」


そう言うと、黒服の男達の後ろについて行き、ヘリコプターに乗りこんだ。




大きな音をたて、何事もなかったかのようにヘリコプターは去って行った。












「海里ぃ―――――――――!!!」




陸は、海里を乗せたヘリコプターに向かって全力で叫んでいた。