安心したのかはわからないが、陸が部屋から出て行った後、海里はすぐに寝てしまった。


そういえば、今日の学校帰りに急に聞こえた不思議な声
あの声は何だったのだろうと思い出しながら…




















『海里…海里……』


誰かが遠くから、海里の名前を呼んでいる。


「…私の名前を呼ぶのは誰?」


声が聞こえる方に向かって歩き出す海里。


『こっちだ海里!』


女の人と男の人の声がする。

「あ…」


30歩程歩くと2つの人影が見えてきた。


『海里!』


誰?


声の主は海里に走り寄って来た。

『やっと会えたわね!海里』


美しい2人の女性と男性が視界に入った。

綺麗な人達…
つい見つめてしまう

でも、何でこの人達は私の名前を知っているのかな?

「あなた達は誰?何で私の名前を知ってるの?」


『海里、私の声に聞き覚えない?』


透き通るような美しい声。こんな声知り合いにいたっけ?

「…?……っあ!!」


はっと思い出す。


「そうだ!この声は今日の学校帰りに急に聞こえた不思議な声!!」


『覚えててくれたのね?』


「あなた達誰なの?」


『私達はあなたの剣よ。』

「つるぎ…?」

それってどういう意味?


『私の名は「メルフェンサー」彼は「ヴァンナー」』

「変わった名前ね」


『今日お前に会えて良かった。ここで会う前に「現実世界」で会ってしまったら、完全にお前と会話できなくなるところだった』

「言ってる意味がよくわからないんだけど…?」


『次期にわかるわ』

そう言うと、海里の手の平にある物を置いた。


「ちょっ‥何これ!?」


何と手の平に置かれたのは2つの銃。
白銀に輝く銃と漆黒に染まった銃。


『それは世界に1つしかないからなくすなよ!』


「なくすなって、これをどうしろって言うの!?」

『それは次に会う時にわかるわ』

「あっ!待って…!」


海里の呼びかけも虚しく2人は消えてしまった。