「俺は体調悪いから部屋で休んでるとでも言っとけ」

「わかった」

「空に言われた通りにやれよ?」

「大丈夫。ちゃんと頭に入ってるよ」

「…ならいい」



そう言うと星はお茶を飲みほした。






−−

「お待たせ致しました。国王様のもとへとご案内致します」



柔らかな物腰で語る白瀬。



「行こう」



陸が立ち上がり、続いて海里と風歌も立ち上がる。



「白瀬、この人は少し体調がすぐれないようだから契約が終わるまで今はここでそっとしておいてもらえない?」

「なんと…後で薬を届けさせます」

「寝れば治るから大丈夫…みたいです」

「そうですか…ではお大事に」

「…」



星は白瀬を無視して海里達に背を向けた。



「行きましょう。父上が待っています」






3人は白瀬に案内され国王のもとへと向かった。























「あいつらには悪いが、用心にこしたことはねぇからな…」

もし「あいつ」が風の国にいたとして、出くわしたらヤバイことになる。
だから来たくなかったんだ。



星は真剣な表情で空になったカップを見つめた。