「クラスわかんないけど、上履きの色一緒だし、同じ学年だよな?いつもここで歌ってんの?」
葉山くんが私の顔をのぞき込む。
うわぁ、また笑っている。
葉山くんの笑顔は、ほんわかしていて、ほんとうに好きだな。
胸がぎゅっとなる。
「同じ学年。歌は放課後、ここで、水曜以外は。」
「へぇー、じゃあ明日もここに来ていい?もっと聞かせてよ。今日は俺、用事有るからさ。」
葉山くんになら。
バレたくないと、さっきまで思っていたのが嘘のようで。
褒めてくれたからか、近くで葉山くんの笑顔を見たからか、はたまた、ただの気まぐれか。
わからないけど、聞いて欲しかった。
「明日なら、きていいよ。」
いつの間にか呟いていた。