身を引いた私 でも、、、

私1人しか居ないので、辺りはシーンとしている。



………。



髪をドライヤーの風で乾かし、目の前の鏡に写る自分を見る。



あれ?



私、いつから笑えて無いんだろ。



それに、何で涙が。



涙を拭い、考えてみる。



何で笑えてない?



何で涙が出てる?



…………。



考えなくても、分かるじゃ無いか。



私が泣く時。



私がおかしくなる時、必ず考えてたもの。



思い出してたもの。



それは、



「桜花」



誠哉に明日斗、大樹に一。



下っ端達。


戻り、たいな。



前みたいに、笑い合える仲に。



誠哉。



あれ?



心の中で、桜花を思い出していたら、どうして誠哉の名前が。



………これはパンドラの箱だ。



絶対、開けてはいけない、分かってはいけないんだ。



これだけは。



そう思いながら、私は自室に戻った。



そして、眠りについた。


次の日。



と言っても、私にしたら数時間しか寝ていないが、



とにかく、有紗と陽翔と一緒に学校へ行く。



恵も一緒に。



恵には、私の制服を貸した。



せめて龍輝と竜也の誤解を解くためにも。



黒龍は今日は休むか遅れると思う。



いや、実を言うと置いてきたんだ。



と、に、か、く。



私達は理事長室に直行した。



龍輝「どうしたんだ?って、誰だそれ」



恵「あ、あの、私です。そ、その、芹沢恵」



龍輝「芹沢、恵。って、ケバかった!?」



恵「そ、そうです。不快な思いをさせてしまったんなら謝ります。色々すみませんでした」



と言い、ペコッと頭を下げる恵。



龍輝「いや、でも、何で」



あ、説明しないと。



「脅されてたんだよ」



龍輝「脅してたんじゃ無くてか?」



とまぁこの後、色々と頑張って説明して、理解して貰った。


龍輝「そうか、そんな事が。分かった」



「良かった」



恵「あの、ちゃんと皆には言います。騙してたことも、情報を流してた事も、全部」



龍輝「そうか」



恵「はい」



と、



コンコン



とドアがノックされたかと思うと、



ガチャ



と開いて入ってきた桜花一同。



ちなみに、私は今男装みたいな感じで変装してるから大丈夫だと思うけど。



会いたいって思ってた相手が、すぐ目の前に居るんだから。



でも、



「有紗、やっぱり」



有紗「うん」



と言って、私を隠すように陽翔と一緒に前に出てくれた。


「ありがとう」



有紗「ううん」



陽翔「気にするな」



「うん」



優しいな。



と思っていると、



誠哉「龍輝さん、毒竜が攻めてきます」



龍輝「いきなりだな」



誠哉「スミマセン、今日の朝いきなり情報を見つけたもので」



龍輝「そうか」



焦ったのかな。



バックの組が全てやられて。



と思っていると、



大樹「龍輝さん、千代は帰ってくるんやろか」



明日斗「今すぐにでも帰ってきて欲しいなー」



と、何やら暗くなる桜花。


龍輝「うーん、案外近くに居るかもな」



龍輝!?



誠哉「そうでしょうか?」



龍輝「知らねぇけど」



…………。



一瞬シーンとし、



一「まぁ、今は抗戦に集中しよっか!!」



と言う一の声で、



誠哉「そうですね」



明日斗「あ、せやったせやった。龍輝さん、今すぐ生徒達体育館に避難させて」



と、皆少し明るくなった。



龍輝「おう!」



で、放送を始めた龍輝。



すると、



誠哉「貴女方も体育館へ避難してください」



と、私達に言ってきた。


と、



恵「あ、あの、誠哉君」



誠哉「はい?」



恵「私、分からない?」



いやいや。



誠哉「どこかでお会いしましたか?」



やっぱり、分からないよね。



あの時は何となく分かったけど。



有紗「恵だよ。芹沢恵」



誠哉「え?」



一「恵?」



大樹「いやいや、全然ちゃうで。恵はもっと化粧してるし」



恵「いえ、本当に、芹沢恵です」



明日斗「いや、でもなぁ」



と、全員信じられないらしい。



すると、



「バイクの音がする」



台数は、100、200。


と、考えていると、



誠哉「千代?」



と名を呼ばれた。



無視しよ。



私は声を低くして、



「台数は200台以下。俺達はここに居るから、お前達は行けよ」



誠哉「あっ、はい」



と言って、桜花全員行ってしまった。



すると、



恵「あ、私も行かないと」



と恵も行ってしまった。



私は、どうしよう。



と思っていると、



有紗「行かないの?」



と有紗に肩を叩かれた。



「でも」


陽翔「でも?」



「でも、私は部外者って言うか、関係無いし」



有紗「あるでしょ?」



「え?」



あるって、何が。



陽翔「総長だったんだろ?」



「それは、うん」



有紗「だったら、先代って感じで?」



…………。



有紗「と、に、か、く!!」



!!



陽翔「俺達も行くぞ!」



と手を掴まれ、下駄箱で靴を履き替え、気配を消して少し遠くから見る。



状況的には有利なのは、毒竜。



人数的にね。



しかも、毒竜は全員武器持ちだしね。