龍輝「そうだ」
「そ、そんな」
足の力が抜ける。
「私が、抜けたから」
龍輝「でも、だからと言ってあの時、芹沢組や毒竜、悠木組に木ノ下組との抗戦をするべきだったとは
言えない。これは、仕方の無い事だったんだ」
仕方の無い、事。
誠「恵って、あの、桜花の姫ですか?」
龍輝「あぁ。アイツは元々苛められてたらしくてな、千代が拾ったんだ。だが、それが悪かったんだな」
………いや、あの時の事を悔やんではいけない。
過ぎてしまった事は、どうにもならないのだから。
「とにかく今は、桜花の情報ロックとかをやらないと」
とパソコンでロックしていく。
と、
白夜「そんな悠長な事してて良いの?」
「えっ?」
悠長な事?
これの何が。
誠「この事を、情報が漏れてる事を、桜花は知ってるんですか?」
「知ってる」
白夜「じゃあ、今すぐ恵を追い出すとかさ」
………。
「………」
何も言えない。
龍輝「それが出来たら苦労しねぇよ」
「龍輝」
命「何でや?何で出来んのや?」
有紗「………脅されてるから」
蓮「脅し?」
………。
陽翔「そうだ。恵が本当の裏切り者と言うことを誰かに言えば、さっき言った芹沢組を始め、
悠木に木ノ下、毒竜を動かして桜花を潰すってな」
誠「そんな事が」
こうなったら。
有紗「千代、もうそろそろ、私達も頼ってよ」
「え?」
陽翔「組の力で、異端派の悠木、木ノ下、芹沢を潰せば良いんじゃねぇの?」
確かに、そうだけど。
有紗「もしかして、自分の事に組を動かしたらダメって思ってる?」
!!
有紗「千代、もう、千代だけの事じゃ無いんじゃない?」
「えっ?」
陽翔「俺達がわざわざ学校生活してんのは、黒龍に何て言われたからだった?」
「毒竜が黒龍を狙ってるか、ら」
あっ。
有紗「そういうこと」
陽翔「身内の事を狙ってるんだ。しかも異端派がな」
「それじゃあ」
有紗「組を動かそ、ね?」
「うん」
陽翔「じゃあ、俺等3人早退するわ」
龍輝「了解ー」
誠「えっ、じゃあ僕達は」
「何もしなくて良い。いや、逆に何もしないで」
白夜「でも!」
有紗「ダメダメ。組の問題に入ってこないの。これは、篝月にも黒龍にも一切関係ないから」
陽翔「そういうことだ」
と、私達はそのまま組まで帰った。
夜。
私は、有紗と陽翔の3人で芹沢組の前に来ていた。
今の私は、華宮組の若頭と同時に、異端派の族&組潰しの神。
ブカブカの黒いパーカーの下に、胸潰しブラと黒のタンクトップ。
黒のハーフパンツ。
有紗「3人で大丈夫かな?」
陽翔「大丈夫大丈夫」
「そうそう」
有紗「じゃあ大丈夫だー」
と、緩んだ空気だけど。
「深夜2時まで、あと1分」
キリッ
ここからは、本気で行く。
「深夜2時丁度、作戦開始!」
有紗と陽翔と3人で頷き合い、突入。
気配を完全に消してる為、全然気付かない。
ちなみに、さっきの2時で悠木組と木ノ下組には、華宮の組員達が手分けして突入してる。
そのまま組長室を捜す。
と、
「ビンゴ!」
金の大きなプレートに「組長室」と悪趣味にも書かれていた。
有紗「趣味悪」
陽翔「しっ!」
と目を合わせ、
バンっ
とドアを蹴破る。
と、
そこには驚きの光景があった。
「なっ!」
有紗「何で、恵が!?」
陽翔「信じ、られない」
そう。
目の前で、組長に犯されていた。
辺りには多くの注射器。
組長「な、何だお前らは!!」
恵「た、助け、て」
!?
まさか。
いや、今は
「組長を狙え!」
有紗と陽翔はΣ(゚Д゚)とし
有紗、陽翔「御意!」
と答え、組長をあっさり倒した。
………。
「で、これは、どういう事?」
と、恵を3人で囲んで言う。
すると、
恵「お父さんに、前から、そう、桜花に入った事を知られた時から、命令されてて、やらないと、お前を
薬の実験台にするからなって、言われてて」
私には、嘘を着いているようには見えなかった。
恵「それなのに、今日いきなり、犯されて、お前は、もう、要らないって」
と泣き出した恵。
有紗「アンタ、本当に組長の娘?」
恵「えぇ」
陽翔「嘘を着いているようには、見えないな」
乱れた服に、泣いた後。
しかも、私達が今日来ることは知らせて居なかった。
「貴女は、組長に従って何をやったの?」
恵は目を擦り、息を落ち着かせてから、話し出した。
恵side
私は、ある日を境に変わってしまったお父さんから言われたことは全部した。
それが、人を傷付けることでも。
始まりは、私が桜花と言う世界No.1の族に入った事からだった。
私の婚約相手は、毒竜という異端派の族の総長の、悠木学だった。
当然、私は桜花の後に毒竜に入れられた。
そして、お父さんは私が桜花に入っていることを毒竜に明かした。
学は、私を桜花に居ることを許す代わりに、桜花を弱くしろと言った。
何をすれば良いのかと思っていたら、お父さんが言った。
『桜花の総長を追放しろ』と。
私は、苛められてた私を救ってくれた恩人の千代に、そんな事をしたくなくて反対した。
けど、『やらないと薬の実験台にしてやる』と言われ、怖くなり私は、千代を裏切り者にした。
その後、その事をお父さんに言うと、その事を学に言い、学は他の族にその事を広めた。
その後、私は桜花に居られる時間を楽しいものにしたくて、キレイになろうとして、
化粧も段々濃くなって、媚も売った。
でも分かっていた事があった。
いつか私がした事はバレる。
それと同時に、千代が帰ってきて、今度こそ私を罰してくれることを。