身を引いた私 でも、、、

一。



痛い。



心が痛い。



あの時の様に。



と、



奏はスッと離れ、元に戻った。



でも、思い出してしまった私は、動けないでいた。



奏side



僕が千代の腰に抱き着くと、千代の目が黒く、とても黒くくすんだ。



深い深い闇を持っているんだと、この時分かった。



だから、僕は千代を離して元の場所に戻って言った。



「千代は、闇があるよ」



と。



今も固まったまま動かない。



誠「確かに、僕も昨日思いました。金色の目が黒くくすんで居たのを見ましたから」



白夜「僕も」



命「僕も」



蓮「俺も」



雷「ん?」



…雷さんは気にしないでおこう。



「だから、千代を救ってあげたい」



誠「そうですね」



白夜「うん」



蓮「皆が賛成なら」



命「僕もこの目で見てしまったからな」


やっぱり優しい。



この時、僕は改めて思った。



黒龍に入って良かった、と。



奏side end
有紗「千代、千代!」



( ̄□ ̄;)!!



「スマナイ。ボーッとしていた」



と、黒龍を見る。



誠「では、もう制服はこちらに」



と言い、紙袋を渡してきた。



コイツ等、本気で初めから私をその高校に通わせたかったんだな。



と思っているうちに話は進み、また月曜日にと言うこととなった。


次の日、私は有紗と陽翔、黒龍と共に学校に登校していた。



誠「じゃあ、理事長室まで案内します」



有紗「あ、良いよ」



陽翔「俺達結構来てるしな」



「ウン、まぁ」



有紗「てことでバイバーイ」



と、呆然とする黒龍を置いて、私達は理事長室に向かった。



あ、何で理事長室までの道を知ってるかと言うと、



ここの理事長って、実は桜花の先代で、私もよく喧嘩とか教えてもらってたんだよね。



名前は神無月龍輝。



あ、ちなみに、今は私の方が強い。



理事長のドアをノック無しに開け、中に入る。



「龍輝ー」



と、



龍輝「お、久し振りだな」



「久し振り」



有紗「お久ー」



陽翔「よっ!」



と、馴れ馴れしい挨拶を交わす。



龍輝「千代達のクラスは、2年Sな。担任は竜也だ」



あ、竜也って言うのは、龍輝の弟ね。



龍輝「でもな、Sクラスには桜花が勢揃いなんだ」



「うっ、知ってる」



龍輝「知ってて来たのか?」



「う、ん」



龍輝「??」



と、私がおかしいのに疑問を持っているようだ。



すると、



有紗「黒龍の奏と桜花の一を重ねて見たの」



陽翔「しかも抱き着かれてお願いされて、すんなり折れてた」



「うっ」



龍輝「あー!確かに似てると言えば似てるな」



………。



と、



ガチャ



とドアが開き、竜也が入ってきた。


竜也「あ、千代さんに有紗さんに陽翔さん。お久しぶりです」



「久し振り」



有紗「お久ー」



陽翔「久し振り」



と挨拶をすると、



龍輝「で、そのまま行くのか?」



あ。



「確かにこのままじゃ、ダメだな」



短期間とは言え、学校に通うとしたら何かしら接触があるだろう。



龍輝「変装道具なら、あるぜ」



「変装、か」



ここで、私達が何故以前にもここに来たことがあるかを教えよう。



それは、



龍輝「有紗がコスプレだの何だので持ってきたウィッグや衣装、全部あるぜ」



そう。



そこらのモデルに頼むよりも、龍輝や竜也の方がイケメンで美形だから、



時々うちの衣装のモデルになってもらうから。


龍輝「そこの仮眠室にあるぞ」



と言われたので、仮眠室に取りに行く。



で、選んだのがパーカー。



制服の上からパーカー羽織って、フードで顔を隠す。



うん、これ定番中の定番。



それと、制服のズボンを借りて、男装?



よしオッケー。



で、理事長室に戻ると



有紗「あ、千代が美山美夜で、私が泉堂輪廻、陽翔が斉藤和樹ね!」



と言われすぐ、



竜也「じゃあ、時間も無いので急ぎましょう」



と言われ、私達は教室に。



あ、理事長室出る前に、龍輝が「いつでも来いよー」って言ってたな。



実を言うと、私は有紗と陽翔に引き摺られてたから、言葉返す暇無かったんだよね。



心の中で龍輝に謝りながら、有紗と陽翔が私を何故引き摺れるのかが気になっていた。


そして、ようやく教室前到着。



有紗「千代、軽すぎ」



陽翔「引き摺ってるのか引き摺ってないのか途中で分からなくなったぞ」



「そうか?別に普通だ「「普通じゃない!」」…はい」



そんな2人同時に言わなくても。



と思ったんだけど、煩いな。



竜也「千代さん、有紗さん、陽翔さん、呼んだら入ってきてくださいね」



「了解」



有紗「オッケー」



陽翔「ん」



そして、竜也が教室に入った瞬間、先程までの騒がしさが嘘の様に静かになった。



「竜也、何したんだろう」



有紗「考えないでおこう」



陽翔「そうだな。それが良い」



と言っていると、



竜也「入ってきて下さい」



と聞こえたので、私を先頭にして有紗、陽翔の順に入る。