練習場所に戻ると、見慣れた顔が増えていた。

ユリのチームメイトのエリィとペケ、それからシュートの後輩のキンギョだ。

エリィの本名は佐々木恵里佳(ささきえりか)。仲間内では年長の25歳。姉御肌で面倒見がよく、ルックスもいいためヤタらとモテる。

ペケは本名、木田聡子(きださとこ)。自由奔放で明るい子。昔、Tシャツにバツ印が入っていたことからペケと呼ばれるようになった。

キンギョは本名、木村正孝(きむらまさたか)。シュートのスクールの生徒で高校の後輩なんだとか。初めて会った時からずっとシュートについて廻っていたため、俺らが「キンギョの糞みたい」と言った所から今のあだ名になった。



そんな3人はすでにユリにプレゼントを渡していた。

ユリが嬉しそうに俺らの元に駆け寄り、

「もらったの~!」

と自慢気にプレゼントを見せてきた。

プレゼントはTシャツにメッシュキャップ、それに手作りクッキーだ。

こうなると俺らの安物ケーキは微妙だしづらい…汗

でも出さないわけにもいかないから、申し訳なさそうにケーキを差し出す。

「金なくてこんなもんしか買えなかったけど…」

とミラーが言うと、

「わ~!ケーキ!?ありがとー!!」

とユリは無邪気に喜んだ。

俺とミラーは内心ホッとしながらユリの誕生日を祝った。



しばらくみんなでワイワイやって一段落付いたところでユリ達はチームの練習に、俺達は個人で踊り始めた。