battlers high

エリィに声をかけたのは紛れもない元カノのユイだった。

ユイ（本名は松田由衣とゆう。）とは一年ほど前にエリィが出るイベントを見に行ったときに来ていてたまたま話が弾み勢いで付き合い、半年ほど前に別れている。
いわゆる喧嘩別れとゆうやつだが、俺はまだユイの事を引きずっていた。

ユイは俺と目があったがすぐにそらし、なにもなかったかのようにエリィに話しかけた。

「なんでいるんですか？もしかして出るんですか？」

「そんなわけないでしょ、応援だよ。ユイは？」

「彼氏が出るから応援しにきました～！」

ユイは笑顔で言った。

俺は口も開けぬまま顔を伏せた。

「そうなんだ、後で飲もうよ。」

とエリィは俺に気を使ったのか、この場で話を掘り下げることを避けた。

「はい！飲みましょ～！」

そう言うと、ユイは彼氏の元に向かった。

「…大丈夫？」

今度はエリィが俺に聞いてきた。

「…大丈夫だよ。悪いな、気使わせて。」

俺がそう言うと、

「お互い様でしょ～！」

とエリィは笑った。

そんなエリィの優しさに俺は少しユイへの気持ちを消化することができた。

そしてエリィと話しながらストレッチやアップをしているうちに、予選の始まる時間が迫ってきた。

「そろそろ始まるかな…。」

俺は気合いの中に若干の緊張を感じていた。

「練習頑張ってたんだから…大丈夫だよ。」

エリィはそう言って背中を押してくれた。

「…だといいけどな。やれるだけやってくるわ。」

と自分なりに緊張をほぐしながら言った。

その言葉に弱気な俺を感じたのかエリィは真剣な眼差しで

「…負けないでね。」

と言った。

そんな真剣なエリィの言葉にも、

「…まぁ、頑張ってみるわ。」

と、曖昧な返事をする俺がいた。

気合いは十分に入っているが、どこか自信がないとゆうか、全力でぶつかれればそれでいいと思う自分がそこにはいた。



そしてエリィ、ユイの見てる中で俺の気人生を大きく変えるバトルがついに幕をあけた…。