その日のエリィのブログには…

~私は大丈夫!~

と力強いタイトルで心配していた人たちへの感謝と、次への希望が書かれていた。

そして次の日から、まるで何事もなかったように練習場所にやって来て、いつもと同じ様にはしゃぎ練習するエリィがいた。

そんなエリィを横目に、俺も来たるバトルの日までいつものように練習した…。



そして第一回目の予選バトル当日。



皆気合いの入った面持ちで会場入りする参加者たち。

賑やかに話す中にも独特な空気が入り混じる。

俺達はいつものようにシュート、ミラー、キンギョ、俺のグループで会場入り。

エントリーのために並んでいると、ミラーが体を揺らしながら

「やべぇ~上がってきた~!」

と楽しそうに言った。

「わりぃけど負けねーよ?」

シュートはそんなミラーを見ながら内なる闘志を軽く口にする。

「やってみろ!」

ミラーもそれに答える。

「俺はバトル経験浅いんでこうゆうのはまだ緊張しますよぉ。」

キンギョは硬い表情で小さく言う。

実際のところ、俺は気合いと緊張が半々の状態だった。

だが、その状態は一気に変わった…。

「おう、お前ら。おはよう。」

と、後ろからシャークさんが現れた。

一瞬にして緊張を吹き飛ばしますほどの怒りが込み上げた。

「おはようございます!」

ミラーはテンション高く、挨拶をした。

それに続き、

「おはようございます。」

「お、おはようございまぁす!」

とシュート、キンギョも挨拶をする。

俺は少し遅れて、

「…おはよう…ございます…。」

と怒りを飲み込みながら挨拶をした。

「おう…。今日はみんな頑張ろうな。」

シャークさんはエリィとの事などなかったかのように、前と変わらぬ振る舞いを見せた。

「今日出るんすか!?」

ミラーはちょっと驚いたように聞いた。

「もちろん。」

シャークさんは笑顔で答えると、一緒に来たシャークさんの生徒と思われる人たちの元に行った。

「…。」

俺は無言でシャークさんの後ろ姿を見ながら『この人にだけは負けない』と静かに胸の内で決意した…。