「どうって言われてもな…彼氏持ちに手出すように見える?てかなんで?」

「私はね…マッシュとエリィはなんか2人でいるといい雰囲気に見えるんだ。だからいずれ付き合うんじゃないかって思ってたの。」

「俺とエリィってそんなに仲いいように見えるか?まぁ、実際仲はいいけど…。」

「あくまで私目線だよ。だけどね、2人似合ってると思うんだ、シャークさんよりも…。」

「だから俺に奪っちまえって?」

ユリは下を向き小さく頷く。

「俺はエリィの事はなんとも思ってないし、元カノの事も…俺ん中じゃまだ終わってねぇんだ。だからない。」

俺はハッキリ「ない」と言い切った。

「まだ元カノ引きずってるんだ…。はぁ…まぁ、私が勝手に思ってる事だからね…。」

と、ユリは少し残念そうな顔をして戻っていった。



戻るとペケが携帯を見ながら、

「今日、エリィ二日酔いだから休むって。」

「そう、まぁあれだけ飲んだら仕方がないよね。」

とユリは何事もなかったように言う。

俺は黙って練習着に着替えてストレッチをし始める。

ミラーはエリィを気遣う周りの空気をお構いなしにはしゃぎながら動き回る。

このKYっぷりが、時に重い空気をいい具合に緩和してくれる。

ミラーのテンションにつられて俺もユリもペケも、またいつものように練習を始めた。

しかし、エリィは大丈夫なんだろうか…。俺は何もできないと思っていながらも心配を胸に秘めていた。



しばらくして、シュートとキンギョがやってきた。

シュートとキンギョは来るなり、

「エリィちゃんと送った?大丈夫だった?」

と聞いてきた。ユリやペケにも言われ、またかと思いながらも、

「大丈夫だよ。だけど今日は二日酔いでお休み~。」

と流すように答えた。

するとシュートはバックの中から一枚のフライヤーを取り出した。

「ねぇ…これでない?」

と見せられた内容はsolobattleのイベントだったが、ただのイベントじゃなかった。