「私…どうしたらいい…?」

エリィはまた俺の裾を掴む。

「ん~…別れたほうがいいんじゃない。」

「…出来ないよ…だって…。」

「『だって好きなんだもん』…そうだよな、そう簡単に割り切れないよな。でも俺はお前がそうやって耐えてるの、見たくねぇよ?」

「…。」

「今すぐとは言わないけど、別れるって選択肢は作っておいたほうがいいんじゃないかな?」

「…。」

エリィは何も言わず、ただ下を向いて俺の服の裾を握り続けた。

「…とりあえず、エクレアでも食べようか?」

俺は空気を変えようとエクレア手にしてエリィに差し出した。



それから俺とエリィはベッドの前に並んで座り、無言でエクレアを食べた。

エリィは無音の空間に耐えれなくなったのか音楽をかけた。

俺は何を口にするわけでもなくただ隣にいてやることしか出来ない自分に少し情けなさを感じていた。

「俺、そろそろ帰るわ。」

「うん…ありがとね…。」

「対したこと言ってやれなくてごめんな…。」

「ううん、マッシュに話したら…少し楽になった。」

「そっか…じゃぁな。」

俺はエリィの家を出た。

気付けば昼近くになっている。

帰りながら俺はエリィの事を考えていた。

エリィは今後、シャークさんとどうなるのか、続くとしたらまたこうやって涙する日が続くんじゃないか…俺はどうしてやるべきなのか。

考えてるうちに家についた。

家に着くと同時にメールが来た。

ベッドに座り、メールを確認する。
エリィからだ。

『ごめんね、甘えちゃって…。どうするかは自分で考えるから、マッシュは心配しないでね。ありがとう。』

俺はどうとも言い難い感情にとらわれた。

『そうか…わかった。なんかあったらすぐに言えよ。』

特になんてことはない当たり障りのない上辺った返事をしてる自分が嫌になってそのままバイトを休み、ふてくされるように横になる。

エリィがどうしてあんな泣き崩れなきゃならない…
ただ好きなだけなのに…
どうして…

そんな事を心の中で叫んでるうちに陽は暮れ夜になった。