「エリィ…。」

俺は泣き崩れてうずくまるエリィの顔を覗きながらそっと肩に手を乗せた。

エリィは俺の手を強く握りしめ、その手を手繰り俺の懐に顔をうずめて更に泣いた。

この瞬間俺の中でエリィに対する気持ちに少しだけ変化が現れた。

エリィはまわりが思ってるほど強くないのだと気付いた。

そして俺は支えてやりたい気持ちと同時に守ってやらなければとゆう気持ちが芽生えた。

そんな俺は、懐で泣くエリィの頭を撫でながら肩を抱いた。

エリィは俺の懐で30分近く泣き続けた。

落ち着いてきた頃合いを見計らい声をかける。

「少し落ち着いた…?」

エリィは小さく頷き、

「…ごめん…。」

と謝った。

「いいよ…。そんだけエリィの中でいっぱいだったんだろ?今までよく泣かないで我慢したね。」

「私…どうしたらいい?」

「さっき言ってたことってどうゆうこと?何を知っちゃったの?」

「…あのね…」

エリィはまた泣きそうになりながらも話し始めた。

「なるさぁ…先に帰ったでしょ?」

「あぁ、リハでしょ?」

「リハは確かにあるけど…そのリハに本命の人がいるの…。」

「は?どうゆうこと?エリィ彼女でしょ?」

「今の私は二番なんだ…。」

「てゆうかそれは確かなの?」

「…うん。知り合いがバックの仕事一緒にやってて、今回のアーティストと付き合ってるって言ってた…。その子は私がなると付き合ってるの知らなくて…。」

「そうか…その子は確証を持って言ってるの?」

「うん…、現場にいる人はみんなわかってるけど口にしないだけなんだって…。今日も本当は13時入りなんだよ…だけど、早く行ってプライベートレッスン的な感じで2人で先にやってるらしいんだ…それもいつものことで、なかなか外で会えないからそこで2人の時間作ってるんじゃないかって…。」

「そうか、そこまではっきりされちゃってるとな…その教えてくれた子にシャークさんと付き合ってる事は言わなかったの?」

「だって…その子を間に挟んで迷惑かけたくなかったし…聞いた時は頭の中真っ白になっちゃって自分を保つので精一杯だったから…。」

「…エリィはすぐに自分より周りの事考えちゃうからな…でも真っ白になっちゃうのはわかる…辛いよな、それは…。」