掃除機を持ちながら、爽やかに微笑む瞬は、なんだか生活感があふれていて、新鮮だ。





「うん、ありがとうございました。ここが私の部屋?」





「ちょっと狭いけど、ごめんね」





「ぜーんぜん、私には丁度いいよ」





瞬の家に居場所が出来ただけで私は満足だ。





「良かった、今から布団もってくるね。あとは足りないものあったらまた買いに行こう」






「うん」





私は笑顔で頷いた。





一緒に買い物とか、カップル見たい。
私はなんだかにやけてしまう。





さっきまで、辛いことがあったなんて忘れてしまうくらい、穏やかな気持ちだ。





「にゃー」





私と瞬の間にレインも寄って来た。




「レイン、これからよろしくね」





私はレインを抱っこして顔をみた。
レインに顔を近づけると、ペロっとしてくれた。





レインにも受け入れてもらえたんだ。






私は一人じゃなかった、生きていても良いんだ。