「お巡りさんは仕事熱心だね」







私が不貞腐れた言葉を、瞬が複雑な笑みを浮かべていることに、私は気づいていなかった。






お風呂を借りて、瞬のジャージを借りると、ふと瞬に抱きしめてもらった時の香りがした。






そばにいなくても、そばにいてくれるようなそんな気持ちにしてくれる。






本当は詰めて来たカバンの中にもパジャマは入っている。





でも、今はこれを身につけていたい。






「はー、サッパリした。ありがとうございました」





私が明るく出てくると、物置にしていると言っていた部屋から掃除機の音がしていた。





私が覗いてみると、六畳くらいの部屋だった。パソコンが置いてあるくらいで、特に実用で使っている感じがなかった。





「あっ、出たの?」





瞬は私に気づき、掃除機を止めた。