「どうして?どうして、私にそこまでしてくれるの?」





私はただの非行少女。





出会いは補導。





最悪な出会い方なのに、真剣に向き合ってくれる。






「どうしてかな?ほっとけなくなったんだ。初めて会った時から…。警察官になったのは、少年犯罪を犯す未成年の子たちの心を救いたいと思ったからで、でも、実際はなかなか難しいことだらけで…」







少し、期待していた言葉とは違う。





でも、そうだよね。





瞬は大人で警察官で、私は高校生だもん。
恋愛の対象になんて見てもらえることないよね。






「仕事の延長ってことかぁ、まあ、今はそれでもいいや」





口ではそう言ってみるものの、やっぱりどこか傷心してる。






瞬の愛情が欲しい。






助けてくれたのに、そう思う私はよく深いのかな?





でもね、愛情を知らない自分が、瞬に出会えて、初めて恋をしている。





自分にも誰かを愛する心が存在することが、とても嬉しく思う。