「ありがとう、瞬ちゃん」





気づけば、あいつに乱されたままの制服姿だということに、今更恥ずかしくなった。





自分の心のような乱れた姿。





「お風呂もあっためたから入っていいよ。荷物はこっちの部屋物置にしてるから片付けて使えるようにするから」





手際よく私を迎え入れる準備をしてくれる。






親にも出て行けと言われ、居場所を失った私に、新しい居場所をくれる。





生きることを諦めようとした私に、
僕と生きようと言ってくれた。





「遅くなってごめん。ずっと、君を救う方法を探していたけど、警察官としてじゃなにも見つかりそうになかったんだ」





瞬は切なげに微笑む。






私を助けると言った言葉は、偽りではなかったんだ。その場しのぎの社交辞令でもかった。






必死に探してくれていたんだね。





そんな警察官と出逢ったのは初めてだよ。





ううん、私を必死で助けようとしてくれる人は瞬が初めてだ。