私はその言葉に驚き、瞬の顔を見上げた。





そこには、変わらない瞬らしい笑顔がある。そして、大きな優しそうな手が私に向けられている。





「この手は、罪に染まってしまうかもしれない。それでも、君を守ることを誓うから。罪人でも構わないのなら、この手を握って欲しい」






私が、瞬の手を握ってしまえば、瞬は罪人になる。未成年者を警察官が勝手に保護なんてありえない話だ。





でも…






私は弱々しく手を伸ばす。





瞬を罪人にしてしまうと分かっていても






差し伸べられた手に私の手が触れそうになった時、






瞬の方から手を握ってくれた。







ねえ、私たちはお互いにかけているのかな?






不器用だけど、必死で生きていく術を探している。





この罪に穢れてしまう手は、私にとっては光のような存在だ。