このまま、引かれて死んでしまったら楽になるかもしれない。





母親にも愛されていない私は、誰にも必要とされていないのだから。





私は目を閉じて待っていると、急ブレーキの音がして、いくら待っても車は私のところまで来なかった。






「真白?」





この声は、聞きたかった人の声。
そう、車から出てきたのは瞬だった。





私は茫然と彼を見つめ、瞬は困った顔をしていた。





「大丈夫?怪我してない?」






怪我なら、車ではなく、家で傷つけられたよ。






瞬は私に近づき、頬に触れる。





「腫れてる…、なにがあったの?」





そんな心配してくれる瞬が、嬉しいようでいたたまれない気持ちがこみあげてきた。






「どお…して…」





震える声が、再び涙を誘い出す。