怒りと嫉妬に満ちた表情で、今度は持っていたバッグを私に投げつけた。




「なにやってんだ!お前はお母さんの男にまで手をだすのか!」





母は私の両腕を強く掴んで揺さぶる。




「違う…助けてほしかったのに…」





私のか細い声は母には届かない。





「この欠陥品が!出て行け、今すぐ荷物まとめて出て行け!」





そういって、私をリビングから追い出し、突き飛ばした。





私の心も何かが音を立てて崩れて行く。




私は急いで部屋へ行き、大きなバッグに制服や私服、メイク道具など、目につくものを詰めた。






そして、一刻も早く部屋をでて、家を飛び出した。




「あーーーっ!!」




私は大声を出しながら泣き、走り出した。





人目なんてきにしない。





私は曲がり角を曲がったとき、ヘッドライトが目に入った。





私はその場から動けなくなった。