嫌だ….
誰か助けて…





無力な自分に勝手に涙が流れてくる。
泣いたところで、なにも変わらないのに、私の意志とは関係なくとめどなく流れる。






「ごめんね、痛かった?今からは優しくするからね」





そういって、首筋に気持ち悪い奴の舌が這う。






恐怖と悪寒が走る。






『ガチャッ』






目を閉じた瞬間、ドアが開いた。






「ただいま…」





私は目をひらくと、母と目があった。





驚愕する母の顔。





奴も驚き腕の力が緩んだのを確認すると、すぐさま奴をどかして、母の元へ走った。





「お母さん、助けて!」





助けを乞うように走って近づく私に、



『パシッ』



と、頬を殴られる感触だけ私に残る。








母に近づく前に、母に頬を打たれた。
私は唖然として母を見つめると、






そこにいたのは、母親の顔ではなく、女の醜い表情をした母がそこに立っていた。