瞬は石川から私の名前がでて、一瞬焦る。







自分は本当はプライベートで関係を持ってはいけないのに、連絡を取りあえる仲でいることに、後ろめたさがあった。






「はい、石川さんもご存知だったんですね」






瞬の中で、知っているのに、なぜ助けてあげようとしていないのか?と、疑問と苛立ちが生まれる。







「なんとなくね、保護の人もよくあの家に行ってたみたいだから、でも、真白ちゃんはお母さんから離れることを拒んでいたの。虐待も本人が否定してしまえば、これ以上踏み込む事は出来ないからね」






石川は悲しげに微笑んだ。






警察も法に基づいてじゃなきゃ、身動きがとれない。






勝手な私情で深入りする事は、規則に違反するしかないだろう。





「でも、今の彼女は家を嫌がっています。どうしたらいいですか?」





瞬の難しい質問に、石川も頭を悩ませた。