私たちは熱を帯び、瞬にお姫様抱っこされながら、初めて瞬の寝室へ行く。





こんなに、ドキドキして今から始まることに高揚するのは初めてだ。





優しい口づけを何度も繰り返す。





人を欲しいと求める感情が、うちに秘めていたなんて、瞬といると知らない自分と出逢う。





お互いの体温、肌を感じながら、傷だらけの私の身体を優しく触れてくれた。





受け入れて包んでくれる、これ以上の幸せはない。





「幸せだよ」





心の声が漏れるように、呟く私に瞬も「僕もだよ」と応えてくれる。





私たちは夢中でお互いを確かめ合っていった。






この時間がずっと、続いてくれたらいいのに、初めて生きている心地がする。生きていていいきがするんだ。






欠陥品でも、幸せを感じられる。





欠陥品でも、私を愛してくれる人がいる。





上書きして、何もかも…





私の残る記憶は、瞬だけでいいんだ。