さっきまでは、あんな男に触られて、気持ち悪いへんな残り香が自分にもついている気がした。





そんなことを気にしないで、抱きしめてくれる腕、もっと、私を瞬で埋めてほしい。





「あの人と、母は見えないところに傷をつけるのうまかったんだよ」





私は立ち上がり、ブラウスのボタンを外してキャミソールになった。





「真白?」





私の背中も首から下は消えない火傷の痕や、瓶の破片で切れた痕など無数の消えない傷が刻まれていた。






瞬はその傷をみて驚愕した。
今まで、冬の服で隠れていただけで、二の腕まで傷がついている私の本当の姿をみて、言葉が出ないようだ。







「これが、本当の私の姿。こんな、痛々しい姿でも欲情するのは、あいつと援交のおじさんとかばかりだった。瞬ちゃんは、こんな私じゃ抱く気がしない?」





真っ直ぐ、見つめる瞬の瞳は揺れている。






いつも、優しく包んでくれていた身体は、こんなに消えない傷で穢されていた。