「俺は、占い師に言われた通り、とにかく北東へ向かった。
不思議と、人には出会わなかった。
やっぱり、占いなんて…そう思った時、曲がり角でおまえとぶつかった。
一目見て、目立たない年上の女…そう思ったが、お前は赤なんてどこにも身に付けていなかった。
でも、もう人探しに煩わされるのが面倒で、お前に決めたんだ。
そしたら、お前の名前は三上あかねだった。
占い師の言った『3』と『赤』にも符合する。
あとは『奇跡』だけだが…」
「そ、それなら…」
「何か、思い当たることがあるのか?」
「え、ま…まぁ…」
「どんなことだ?」
「……な、内緒です。」
「……そうか……」
不思議と、那月さんは深く追求して来ることはなかった。
「それで…ハンコは押してくれるのか?」
「えっ!?だ、だめです。
えっと…そ、そう!だから、なぜ、結婚しなきゃいけないのか、聞いてからじゃないと!」
「そのことか…
父上は、俺に仕事を継がせたがっている。
だが、俺は継ぐ気はない。
そのことで、父上とは何度も話し合った末、俺が30歳になった時、まだ独身だったら継ぐという条件を出されたんだ。」
「そ、そんな…」
信じられない想いだった。
親の仕事を継ぎたくないから、誰でも良いから結婚しようとするなんて…
私はそれほどロマンチストじゃないつもりだけど、やっぱりそういう考え方には反感を感じてしまう。
(結婚は、好きな人とするべきだよね…)
不思議と、人には出会わなかった。
やっぱり、占いなんて…そう思った時、曲がり角でおまえとぶつかった。
一目見て、目立たない年上の女…そう思ったが、お前は赤なんてどこにも身に付けていなかった。
でも、もう人探しに煩わされるのが面倒で、お前に決めたんだ。
そしたら、お前の名前は三上あかねだった。
占い師の言った『3』と『赤』にも符合する。
あとは『奇跡』だけだが…」
「そ、それなら…」
「何か、思い当たることがあるのか?」
「え、ま…まぁ…」
「どんなことだ?」
「……な、内緒です。」
「……そうか……」
不思議と、那月さんは深く追求して来ることはなかった。
「それで…ハンコは押してくれるのか?」
「えっ!?だ、だめです。
えっと…そ、そう!だから、なぜ、結婚しなきゃいけないのか、聞いてからじゃないと!」
「そのことか…
父上は、俺に仕事を継がせたがっている。
だが、俺は継ぐ気はない。
そのことで、父上とは何度も話し合った末、俺が30歳になった時、まだ独身だったら継ぐという条件を出されたんだ。」
「そ、そんな…」
信じられない想いだった。
親の仕事を継ぎたくないから、誰でも良いから結婚しようとするなんて…
私はそれほどロマンチストじゃないつもりだけど、やっぱりそういう考え方には反感を感じてしまう。
(結婚は、好きな人とするべきだよね…)