「え…。あれは、日誌を取りに行こうとして…ごめん。」
翼に気づかれてたとは。
急いで頭を下げるがいつものように暴言を吐かれない。
おそるおそる頭を上げると、そこには今にも泣きそうな翼の顔があった。

「ねぇ、翼?大丈夫?」

「…。」

「…翼?」

「あーちゃん、チョコ食べてもね、ダメなんだ。僕、チョコ食べても食べても泣けてくるんだ。どーしてなんだろうね。好きだったんだ。すごく。」

あーもう、これだから嫌なんだ。
翼はわたしの気持ちなんてお構いなしに、失恋相手への想いを語ってくる。