「ねぇねぇ、二人って付き合ってるの?」



クラスの女の子があたしちのところに駆け寄ってくる。



「俺と千花は付き合ってる」



ハッキリとした口調で話す永人。

逆に下を向いて何も言えなくなるあたし。



「え!?マジ!?」



女の子たちのそんな声に冷や汗が出てくる。
また、あの時のような目で見られるのではないだろうか。
心無い言葉を言われるのではないだろうか。



「なんか文句あるか?」



頭上から聞こえてきたそんな言葉。



「いや、ないよ!」


「文句どころかお似合いだよね」


「永人くん好きだけど、草野さんなら文句も言えないわ」



ところどころから聞こえてくるそんな声にやっと顔をあげた。



「……っ」



あのころの女の子たちとは違って、誰もあたしのことを変な目で見てなんていなかった。
みんなが笑っていた。

そりゃ、もしかしたらどこかに気に食わはない人がいるかもしれない。
でも、このクラスなら大丈夫だって思えた。