「なんで、あの二人一緒にきてんの?」


「え、偶然じゃないの?」


「まさか付き合い出したとかないよね?」



校門をくぐったあたりから、あたしたちをみてみんなが口々に言うのが聞こえる。



「大丈夫だから」



その声に怖くなって目を瞑るあたしの頭をポンっと無でる。



「……永人」



なんでだろう。
永人にはまだ、女の子たちに虐められた過去を話してないのに。



「なんかあったら俺が守るから」


「……っ」


本当の彼氏じゃないのに、どうしてそこまでしてくれるのだろう。



「今度は絶対に守る」


「……今度?」


「なんでもねー」



〝今度〟という言葉が引っかかった。
過去に、自分と付き合った子が虐められたりしたのだろうか。

勝手に、永人はずっと女嫌いで彼女もいたことなかったと思い込んでた。
でも、永人ほどの容姿だ。

女の子が放っておくほうがおかしい。